Almost boring

いいかんじに三十路突入

【白山連峰】花盛る夏の白山へ

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暫くぶりの日誌を更新する。

ここ最近は、仕事でもプライベートでも色々と疲れてしまった上に、高温多湿な夏のコンディションは外岩に足を向かわせるようなものでもなく、クライミングのモチベーションも下がる一方だった。腐りきったメンタルで学生の頃のように酒とピザに溺れる生活が続いていたが、山の日連休は気分転換にGWの蝶ヶ岳ぶりの久々の山歩きで白山に行ってきた。

複数の台風が接近している予報だったけれど、初日はなんとか持ちそうだったので景色は期待できないが花を愛でる目的で名古屋を発つ。

 

白山(砂防新道ルート) 16.2km 

 8/8 別当出合(9:55)〜甚之助避難小屋(11:40-11:55)〜南竜ヶ馬場野営場(12:37-13:40)〜白山室堂ビジターセンター(15:30)〜白山御前峰(15:50-16:10)〜南竜ヶ馬場野営場(17:46)

8/9 南竜ヶ馬場野営場(8:02)〜別当出合(10:03)

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パートナーは、日焼け止めスプレーを顔に長時間噴出することでしばしば呼吸困難を起こす相方まる。かなりの高率で日焼け止めを滑落遭難させる彼女は、今回からスプレータイプと塗るタイプの2本体制で太陽に挑んでいった。翼をもがれながらも果敢に太陽に挑む彼女の力強さに込み上げる何かを感じないこともない。

そんな不毛な思考を巡らせながら視線を送ると、助手席でパンを頬張りながら不服そうな表情で一瞥をくれた。

「は?何見てんの?」

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相方まる(本体)

 

白山は、2018年の8月に一度来ている。カップルの初登山で初テント泊のアテンドだったが今考えると正気の沙汰じゃない。完全にお邪魔虫だな。当時は平日で、別当出合までマイカーで上がれたけど、今回は規制があったので下の市ノ瀬からシャトルバスで登山口へ。

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石川県民は小学生から遠足で登るような人気の山域なので人は相変わらず多い。

小雨のスタートだったが、ガスが多少取れて青空が見える瞬間もあり、悪くはなかった。

 

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行きはポピュラーな砂防新道を使って南竜ヶ馬場野営場へ向かい、先にテントを幕営しておく。翌日の復路は、御舎利山方面へ登り返して別山からの展望を堪能してからチブリ尾根で市ノ瀬まで一気に下山したかったが悪天でこれは叶わなかった。

 

南竜ヶ馬場野営場はトイレはそこそこ綺麗、炊事場はgood、簡単な木のテーブルがそこらに置いてあり、よく整地されており、水は使い放題な快適なテント場。

テント倒壊予報が出ている前日だったの10張りほどしか張られておらず、小屋前の宴会での喧騒が野営場まで届く以外はひっそりとしていた。

 

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テント幕営後は、南竜山荘裏から御前坂を登りトンビ岩を経由して室堂に向かう。

御前坂は奇岩が多くて楽しい。相方まるがバテてスピードダウン。「ワタシはもう山に登っちゃいけない人間なんだ... 私は山に許されていない...」とブツブツ言っていたのが怖かったので無視して進む。先に進んでは岩でボルダーして相方まるを待つ繰り返し。

 

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トンビ岩手前の三角形の岩。左から離陸して上辺を押さえて右にトラバースしてからマントル返すルートで登ってみた。超楽しい。マットがあれば、ど真ん中から細かいポケットを繋いで直登もできそうで、下界にあれば人気課題になっていそう。

 

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トンビ岩はトンビ 6級を登る。設定/初登はmaybe僕。

トンビ岩周辺で計5本くらい登った。

 

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万才谷雪渓周辺はお花畑が広がっていて、シナノキンバイバイケイソウ、イトキンスゲ、ミヤマアカバナが見頃だった。

 

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雲行きはだいぶ怪しかったが二宮金次郎とひとまず山頂を目指す。

 

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16時前に御前峰着。山を舐めるなおじさんたちが卒倒してしまいそうな時間帯である。

全く期待していなかった展望だが、ガスも抜けて一通り見渡せるようになった。

 

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甚之助谷から立ち上がる入道雲の大きさが、心に夏を響かせる。

 

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下山時はゲリラ的な雨に降られたがその後は降ったり止んだり。酒もほどほどに就寝。平日に寝られない分は山でしっかり寝る。

 

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写真は2018/8の時の星空。

 

夜間は雲ひとつなくて、前回来た時と同じぐらい綺麗な星空だったので翌日の好転を期待していたが、朝方からテントを叩く雨風の轟音で目を覚ました。夜までに名古屋に戻ればいいので時間はたっぷりあるし、テント内停滞の判断を下し、まると余った食材を食い潰す。

 

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そうこうしているうちに周りのテントは全て撤収してしまい、僕たちだけがポツンと取り残されていた。

天候の改善は見込めなさそうだったので風の止むタイミングを見計らって、相方まるの流れるような手際の良さに驚きつつ速攻で撤収完了。悪天が多いせいで慣れたものです。

雨の中の山歩きもそれはそれでまた良い。登山道の傍の花たちに癒されながら往路下降して2時間ほどで下山。

 

山に入り始めた当初は危険なルートや岩岩しい景色を求めて歩き回っていたけれど、足元を気にして歩くことなんてなかったし、高山植物を見つけて写真を撮ることに意味なんか見出せなかった。

そんな僕だったから、行動の変容にびっくりしてるけど、今まで目を向けていなかった自分のすぐそばにも沢山の素敵なものが隠れているのかなって。

そんなことを思ったり..