Almost boring

いいかんじに三十路突入

【北アルプス】源次郎尾根から剱岳へ

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今年の学連夏合宿は北方稜線と源次郎尾根の剱定着だったが予定が合わず前半は参加できなかった。そのため後発として源次郎を登る前日に剱沢で合流する形となった。

 

 

名古屋から立山室堂へ

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トラブルで合流できなかったときのために、テントは共装の6テンに頼らずに個装のみで完結できるようシェルターも含めてパッキングした。ロープはⅡ峰懸垂用に50mダブルが共装で1セットあるが、尾根上で数メートルの短い区間のみを確保したいときに50mは持て余す。自身の判断で20m補助ロープを持ち込んだがこれが後で役に立った。

 

13日の早朝に名古屋を発った。 立山駅に着く直前に先発組の北方稜線チェックポイントからの連絡を受け取り、雪渓の状態を聞くことができたため、G10は不要と判断しチェーンスパイクに交換し軽量化した。結局アックスもチェーンも使わずに雪渓は通過できた。

  

剱岳 源次郎尾根 - 別山尾根周回 15.3km 14h23m

1日目:室堂(10:45)〜剱御前(12:20-12:45)〜剱沢(13:10)(幕営)

2日目:剱沢(4:50)〜源次郎尾根末端(5:30-5:45)〜Ⅰ峰(8:45)〜Ⅱ峰(9:25-10:10)〜剱岳山頂(11:05-11:30)〜剱沢(13:30)(幕営)

3日目:剱沢(5:45)〜剱御前(6:20)〜室堂(7:50)

1日目、室堂から剱沢へ

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10時過ぎに室堂着。三連休前の平日なのでそんなに人は多くなかった。まずは雷鳥沢まで降りて剱御前まで登る。こうやって写真でみるとまあまあ登ってるな。

 

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剱御前まで来ると剱の姿を拝める。

御前までの登りで、東京からきた大学生の岳(ガク)と知り合い、同じペースで話しながら歩いていたのであっという間に剱沢に着いた。隣同士でテントを設営してとりあえずビールを飲んで剱を眺めて先発組の到着を待った。まだテントは多くなかったので自由にサイトを選べた。

 

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雲の流れるスピードが速く、源次郎尾根が消えては現れる。

 

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事前に得た情報通り、源次郎尾根末端まで夏道を使えるので雪渓はトラバースのみ。チェーンもアックスもテントにデポることにした。

 

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暇を持て余していたら16時過ぎにいつものピンクTシャツを着たタイセイがやつれた顔でヨロヨロと現れた。他のメンバーは?と聞くと皆疲弊してるので遅れてくるという。川口ととっつぁん、キダが次いで戻ってきて無事全員と合流できたがCLのキダは靴擦れ痛いしもう源次郎は行きたくないとか言ってる。俺は何しにきたん?w

ビールで釣って明日も予定通り決行するように仕向け早めに就寝した。

 

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2日目、剱沢雪渓から山頂まで一気に突き上げる

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4時起床、4時50分ごろ出発し源次郎尾根末端まで剱沢雪渓を下っていく。

先行は、剱沢で隣のテントにいた1パーティ。取り付きで挨拶するとお先にどうぞとのことでありがたく先にいかせてもらう。雪渓から尾根に乗り、草付きの薄い踏み跡を辿る。

 

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尾根下部は木登りと聞いていたが全くその通りだった。CLキダを先頭にフィックスを張るか判断しつつ進んでいった。初めは慎重になりすぎて必要のなさそうな箇所でも張っていたが、徐々に張らなくなってスピードが上がった。

 

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1時間ほど進んだところの3mほどの緩いフェイスで一瞬詰まった。そこまで難しくないが基部が抉れていて、踏み外すと谷側に滑落する可能性があった。プラブーツを履いているメンバーもいるためここは保険で確保することに決め、アプローチシューズを履いている自分がフリーで上がり補助ロープで後続を確保した。

 

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 2600m付近まで上がるとかなりの高度感があって気持ち良い。

Ⅰ峰手前で全員休めるスペースがあったのでここで大休止とした。去年、僕が別山尾根を登っていた同じ日にサワGとニワっちはこの名古屋大ルートを登っていたらしい。そんな側壁ルートに思いを馳せ一服。

 

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立山側を見ると剱沢までの遠さに結構ビビる。帰りが怖い。

 

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結局、下部で補助ロープを出してから山頂まで一度も使うことはなかった。

 

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CLキダ。こんなにガチャいらんかったね。

 

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八ツ峰方面を望むと熊の岩にテントが一張りと側壁を登るクライマーの姿が見えた。

Ⅰ峰の最高点はよくわかないまま通り過ぎてしまい気がつくとすでにⅡ峰への下降が始まっていた感じ。

 

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Ⅱ峰の懸垂支点と懸垂する川口。50mダブル連結で基部まで余裕で届く。

 

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ここから山頂まで比較的なだらかな道となるが、初めの方はガレていてちょっとめんどくさい。後続に落石パンチをお見舞いしないよう慎重に足を置いていく。

40分ほど進むと山頂付近に出る。

 

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振り返ると登ってきた源次郎尾根。

 

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全員で無事山頂を踏んで別山ルートで剱沢に戻る。遥か彼方に見える剱沢が無限に遠く感じる。

 

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ヨコバイ。別山ルートって鎖やボルトがなかったらめちゃくちゃ難しいルートだよな。

 

この日は三連休初日なので別山ルートは大混雑だったし、変な人もいっぱいいた。

このクソ暑い夏山で煌びやかなハードシェルに身を固め、チェストコイルでロープを束ね、大量のギアをぶら下げた人が、相方らしき若い女性に『ビレイとか必要だったら言えよな!!!』と叫んでいて、色々ダメでもう頭抱えた。結構ヘトヘトだったので幻覚でも見たんかなと思ったけど全員が目撃していたので妖怪クライマーコスプレおじさんは実在する、必ず。

 

剱沢に戻ったら昨日とは打って変わって大混雑。テント村へと変貌していた。

日が暮れるまで途切れずにテントの数は増えていった。室堂の最終バスに間に合いそうだったけどみんなお疲れモードだったのでまったり過ごした。

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3日目、心地よい疲労感で下山

翌日は8時のバスに乗ろうと室堂を目指したがギリギリ間に合わず一本送らせて下山した。温泉で汚れを洗い流した後に街に降りて寿司を食べ行った。このまま双六ー槍の縦走に向かうとっつぁんを富山駅に残して僕たちは名古屋に帰った。

学生最後の夏休みに学連のみんなと剱に登れてよかった。

 

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