Almost boring

いいかんじに三十路突入

【恵那】トライしなきゃ登れない

イルルカ Day3 2023/10/12

Day1-2に引き続き、午前中の仕事を片付けて、サエと恵那へ。

14時半に記帳所着。雲ひとつない快晴で、下の気温は23℃。日中の湿度は40-50%の予報でそれなりのコンディションを期待して上がったけど、エルでのアップでスローパーが延々と滑って落とされまくった。地面は乾いていたし山自体が保水してる感じではなかったけど、気温の高さには贖えないっぽい。

 

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16時前にはイルルカに移動して、引き上げる直前のNittyさんたちにご挨拶。一昨日にまとまった雨があったようでルーフ内は結露でシケシケ。うわぁ..って顔してたら「今日はねえ...」って言われて絶望が加速したけど、日付変わるまで粘りますって伝えて別れた。

体が動くようになればガバマッチからのシークエンスでは落ちる気がしないけど、アップの段階だと何でもないところで落ちまくる。うすうす気付いてはいたけど、アップ完了までに3時間はかかるっぽい。ほんで後半ムーブについては、前回のこともあるからヒールと重心位置を若干修正し、抜けを確認して投光器をセットしてスタートから繋げに入った。

 

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スタートガバもなかなかの湿り気だし、2手目の寄せが止まったトライでそのまま登り切るつもりで間隔を空けながらトライ。1セッション5トライ前後までと決めて、こまめに小休止して指もホールドも乾かした。惜しいトライが続いて、最後は、これまでの意識に加えて、初手を小指側から握り込んで親指も効かせて回転を抑えたら、寄せが止まってその後もミスなく登り切ることができた。

完登動画

寄せのたびに結晶で擦って抉れた

そのあとはイルガの足先行する上部を触ってみたけど、尋常じゃなく滑るので下地の岩に脳天土下座かます前に撤退した。翌日も岩予定なので早々にフィニ。

 

で、ここ数回の行き帰りの車中で考えていたこと。

「トライしなきゃ登れない。」

小泉構文を言いたいわけじゃない。それだけ見れば当たり前のことなんだけど、じゃあ「トライしてるか?」と自分に問いかけると、できてるようでできてない

岩場で、ジムで、何もさせてもらえないと感じた時に、できない理由が先に浮かんでくる。そればかりに囚われると、より強く「できない」を意識してしまう。できない理由を見つけるんじゃなくて、どうしたらできるのかを考えようと表面的には努めていた、つもり。でも、実際どうなんだろうと振り返ると、案の定できない理由を前面に出して「今ここで解決できる事象ではない」と言い聞かせて、長い時間をかけて向き合うことを避けていた気がする。これはクライミングだけじゃなくて、これまで生きてきたなかでも随分と同じことを経験してきたと思う。

特にリードでは完登の見えない課題に打ち込むことは少なかった

自分で言うのもなんだけど、何事もそれなりにこなせてしまっていた。いわゆる器用貧乏と云うやつで。座右の銘「中途半端」とか自虐的な物言いをしたことだって多々ある。自分にとっては「中途半端」な結果だとしても、スポーツでも、学業でも、社会的にも、それなりに認められてきたし、正直に言えば、それくらいで満足していた。でも、クライミングを始めて、この「中途半端」にすごく嫌悪感を感じるようになった。仲間達とセッションして、ただ楽しいと感じて登っている時はそんなこと感じないし、どうだっていい。でも、ひとりで岩に向き合って、「できない」に直面した時、なんで自分はできないのか、指が弱いのか、フィジカルが足りてないのか、ネガティブな要素ばかりが溢れ出てくる。そうしてイヤになって、長い時間をかけて対峙することを避けて、ふと思い返すと「中途半端」を感じて自己嫌悪に陥っていた。

今回だって、普段ならきっとやめていた。だんだんと人が減って、広げられていたマットも無くなって、それでも、ひとりになっても向き合った。そうしたら少しずつ順応できた。長く岩に通う人からすれば至極当たり前のことだろうし、何を今更と思われても仕方がないけど、今までの僕はこのプロセスを知らなかった。逆に岩に行き始めて2年や3年そこらで知ることができてよかったのかもしれない。

岩場に行けば無数にある課題のひとつでしかなくて、決して高グレードでもなければ、名世でもない。でも、自分の思考プロセスに変容をもたらしてくれたという意味で、すごく価値のある完登になったと思うのです。

 

とか、そろそろ恥ずかしくなってきたのでこの辺でフィニ。

がんばれ!おれ!