Almost boring

いいかんじに三十路突入

【小川山】水曜日のシンデレラ 5.11a etc.

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悪天予報の週末。

夕方までは天候の持ちそうな西の岩場に行こうと準備をしていると、CEOから小川山に向かう連絡があり、21時という時間に帰ってきた男に猛コール。

(半強制的に)小川山へと行き先変更して1時間半後には集合。いつも突然ですみません。

午前2時前に廻り目平インして、外気温10℃くらいで、3シーズンシュラフを掛け布団にして快適な車中泊だった。

 

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翌朝、どんよりでしっとり。

広場から見える岩峰群はほとんど姿を見せず一抹の不安がよぎる。突然の変更で30分で用意させて小川山に拉致ってきたのに、「悪天で登れませんでした」ではパートナーにブン殴られても文句が言えない。

 

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CEO、ぴっぴ、みきママ、リョータ、サキやんと合流。

林道を進み右手にガマスラブを過ぎて、ケルンの積んである踏み跡から10分程度の短いアプローチを経て、本日はスラブ状岩壁へ。荷物を広げてストレッチしていると、頭上には突き抜けるような青空が広がった。俄然テンションが上がり、浮き足立ってアップルートを探す。


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高い窓 5.10b

下部はスラブのアプローチ。ガバで小ハングを超えて、最上部のおにぎり状岩の左カンテを登る。スラブ一辺倒ではなくて結構楽しかった。

核心は最上部。左手でカンテを押さえて、身体を正面のフェースに残してのぼったら想像以上に悪くて、3手ぐらいフルパワーで抑え込むハメになった。この日登ったルートの中で最も悪いムーブでした。カンテを超えた裏面の縦フレークを左手で使っていけばグレード通りな感じらしい。

 

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水曜日のシンデレラ 5.11a

トラバース主体、ロープスケールで30m程度もある、スラブとフェイスの中間くらいのロングルートにマスタートライ。

ロープの流れが悪くなることを懸念して出だしのカムは使用せずだったが、ガバガバなので慎重にいけば問題なかった。ノーハンドのトラバースを経て、中間部の核心でムーブをミスして、修正できずに押し通そうとしたけど足が上がらずにフォール.. オンサイトをあたためていただけに切歯扼腕に尽きる。ホールドが多くあるので選択に迷ってしまったが、ハングドッグして冷静に取捨選択してムーブを作れば問題なく再現できるレベルだったので尚更に萎えてしまった。

 

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核心は、6ピン目クリップ後で、両手ガバカチから上部のスローパーに飛ばして両手マッチ、左足で先程のガバカチに乗り込み、ガバフレーク下の、インカットした部分のあるガバスローパーに、正対で左手を直接飛ばした。そこで7ピン目クリップ、右足を明瞭なスタンスに、左足をスメアしてガバフレークでどっこいしょとレイバックして終わり。あとはスラブをトラバースしつつ駆け上がって終了点へ。2トライ目にレストも入れず駆け上がって回収。

レストポイントが要所にあるのでオンサイト向きだと思うし、ムーブが単調ではない上に、ホールドが多彩で同行者たちはそれぞれ異なるムーブを作っていたりで良いルートでした。

ピッピの旧友は、30年以上前の学生時代にこのルートを登れたことが嬉しくて、それ以来ずっと、SuiyoubinoCinderella5.11@*****.jp というアドレスを使っているんだとか。なんだか良いなあ。

 

何かにつけて面倒なトラバースルートだけど、3, 4, 7, 9ピンは長いドローをセットするのが良さそうだった。僕は、基本的にスピリットエクスプレス17cmをセットして、一部アルヌンを使った。回収はロワーダウンで4-5ピン目あたりまで回収してから、1ピン目まで一度降りて、登り返しながら回収すると安全に降りられる。

 

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ルート名不明 体感10d/11a (写真中央部)

続けてすぐ隣の、ヘタクソなレゴを積み上げたような被ったルートにトライ。

当日は「プレイバック 5.11a」と思って取り付いたけど、よく調べるとどうやら違う?トポに記載はないが、Fixeのステンレススチールハンガーが打たれていた。ハングに真下から入り、上部のフェースもそのまま直上していくと5.10d/11aぐらいに感じた。上部はカンテを超えて右に出てしまうと階段状なので大幅にグレードダウンしそう。

「ソラマメハング 5.10c」と形はよく似ているけど、1-2段階ぐらいはホールドも悪いし、難しい感じ。ルートの情報がある方はぜひお知らせください。

 

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1ピン目にかけてしまうと、フォールの際にビレイヤーが壁の方に飛ばされる可能性があるのでクリップしなかった。出だしは若干脆いのでホールドを確認しながらのぼり、2ピン目を1ピン目としてクリップしてからが実質のスタート。

見た目通りが核心で、左ニーバーで安定させて、左手ピンチを取り、右手カチ中継してカンテのガバにデッドポイントして登った。ボルダー4級くらいの感覚。その後のフェイスもヒールを多用する感じで飽きない。使えるホールドは明瞭だし、ムーブの組み立てがすごく面白かった。オンサイトでこのデッドを止めたら気分が良いだろうなあ..

 

お昼過ぎにリバーサイドに移動、林道を戻って第一堰堤から渡渉、5分ほど登って直接2階へ。

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DOKUFU 5.11a

このエリアにも、「ランデブー」「BUN2」「DOKUFU」とイレブン三部作がある。どれもフェース。今回は一番登りやすそうなDOKUFUを選んだけど、オンサイトはグダグダでお話にならず。ムーブを作ってみれば、オンサイト時に一番最初に試したムーブに落ち着いたので、引かずに突っ込むべきだったと反省した。

たかだか11aなのに、親指と人差し指先しか掛からないゴミフレークでガストンさせて、小指の爪程度の突起で補助して立ち込ませるって、このエリアは辛すぎでは?と思ったけれど、2トライ目は核心は易しく感じたので単に自分のオンサイト力の低さを呪うがよろしい。

緩急あって良いルートだし、最後の立ち込みまで気を抜けないのは良いけど、そこそこのアンダーで保持して胸クリップで終了というのが、構成としてはちょっと中途半端に感じた。個人的には最後はガバで気持ちよく終わりたい。

 

この日は、1撃を逃したルートもムーブの再現性が高くて、キッチリ2撃できたのは褒めてあげたいけど、最近はオンサイト率も高くて自信がついてきていただけに無念だった。

 

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OS圏内グレードルートのトライのこと

(小川山では特に)グランドアップのルートであれば、初登者の体験を共有するという意味合いで、mOSに拘りたいという思いが強かったけど、昨今はリボルトに伴うピン位置/数が変更されていることも多いし、体験をトレースするという理論は破綻しているのでは、と考えたりもする。

 

それでも、初めてのルートで、初めてホールドに触れて、初めて傾斜を感じて、ムーブを組み立てて、未知の先に突っ込んでいくっていう過程のマネジメントや戦略性が楽しいので、今後もオンサイトに拘るスタイルを大切にしたい。ラペルで作られたスポート色の強いルートでは主にこちらかな。

 

なによりも嫌なのは、オンサイト圏内のグレードだと、ムーブを作れた後のトライって単調な確認作業になりがちで、トライ前がほんのりダルいってこと。もちろん壁に入ってしまえば、「楽しい」と「気持ち良い」しか感じない単細胞具合で世話ないんだけどさ。
趣味ではあるけど、スポーツとして楽しむ以上、ただ漫然と取り組んでしまうのはなんだが勿体ない気もするし、逆に、ホビークライミングのレベルでそこまで考えなくてもって思いもあるけど、ある程度のリスクを背負ってやっている以上、スタイルや思想も少しは持っておいても良いかもしれない。

 

そんなこんなを考えたりもしつつ、晴天の小川山で遊び呆けて、乾燥で喉を壊しました。たまには予報が外れるのも良いな。

 

<成果>

高い窓 5.10b mOS(通算1try/1day)

水曜日のシンデレラ 5.11a RP(通算2try/1day)

ルート名不明 体感5.10d/11a RP(通算2try/1day)

DOKUFU 5.11a RP(通算2try/1day)