Almost boring

いいかんじに三十路突入

【八ヶ岳】阿弥陀岳北稜、赤岳主稜を継続登攀

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国家試験が終わり1ヶ月半のモラトリアムが開始した。

立命館大山岳部次期主将のshoと予ねてより計画していた八ヶ岳パチンコに行ってきた。

 

ルート、行程など

阿弥陀岳北稜、赤岳主稜継続登攀

2/11

美濃戸口(12:15)〜美濃戸山荘(13:15)〜行者小屋(16:30)

2/12

行者小屋(5:15)〜北稜取り付き(5:25)〜ジャンクションピーク(6:15)〜阿弥陀岳山頂(7:55-8:10)〜主稜取り付き(9:45-10:15)〜赤岳山頂(13:00-13:25)〜行者小屋(14:40-16:00)〜美濃戸口(19:00)

行者小屋へ

初日は茅野駅にて合流し美濃戸口に向かった。

いつも通り林道を歩いて行く。

 

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1年ぶりの厳冬期テン泊+登攀具とロープ2本で膨れ上がった30kgザックの重さで全くペースが上がらなかった。現状を厳冬期と言っていいものかってのはあるけど..

50分ごとに1本入れて亀のようなペースで苦行を敢行した。
 

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行者のテントは数張りほど。

ジェットボイルは少量の水を沸かす分には便利だけど、そもそもの火力は弱いため水作りには向かないというのが今回の学び。弱火一定ができないから煮込む系の食事を作れないし、冬はプリムスのがナイスパートナーになってくれそう。

水作りしつつ、夕飯食べて21時前にはシュラフに入ったが24時過ぎまでアホほど笑い声を響かせて飲み会しているテントがあって全然寝入れなかった。

 

 

北稜ルートで阿弥陀岳

2日目は3時過ぎ起床し、各自朝食をとりビーコンチェックして5時15分に出発。

気温は早朝マイナス12度だったが快晴微風でとても暖かく感じた。

ウェアは上半身がスキンメッシュ、R1、モンチュラの化繊インサレーションにシェルジャケット、下半身はモンベルのスーパーメリノEXPタイツにモンチュラ冬用ソフトシェルパンツ。行動中の気温はマイナス6℃程度で、今回のようなスピード感のある登攀ルートではオーバーヒート気味だったのでインサレーションの選択に改善の余地あり。

 

行者を出てすぐに一般道のロープを越え中岳沢に入り、適当なところで尾根に乗る。

ジャンクションピークまでは樹林帯の急登。一部モナカで腰まで埋まったが概ねトレースが残っており、締まった雪で登りやすかった。ジャンクション手前の樹林帯が切れるあたりで1本とる。

  

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今回はOLYMPUS OM-d M5を持っていったがCanonとはまた違う色味を吐き出す。

 

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ジャンクションピークを超えると斜度のある潅木帯のセクションが始まる。

この辺りから雪稜を歩いてる感が出てきて気持ちええな。

 

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南アルプス方面。南アルプスってナンプスって呼ぶらしいよ。知らんけど。

 

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潅木帯が終わると第1岩峰にブチ当たる。ピカピカのペツルボルトが打たれているがロープは出さずフリーで突破。Ⅲ級くらい。

 

快晴で朝日が強くぽかぽか陽気でふわふわタイム。

これは本当にアルパインと言って良いのか?言うけど。

 

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続いて第二岩峰もフリーで。これもⅢ級くらい。

取り付いてるshoは身長が5mくらいある巨人なので相対的に岩峰が小さく見えるな!

 

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振り返って行者。

一直線に突き上げてきた感があって気持ち良い。

 

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最後は申し訳ない程度のナイフリッジを慎重に通過して(約4歩)、なだらかな山頂までを詰めて行く。(消化試合)

 

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2時間半でトップアウト。

高山ラーメンくらいアッサリ目だったけど、樹林帯から潅木帯の急登あり、岩峰あり、雪稜あり(申し訳程度)でコンパクトに纏まった良いルートだと思う。

標識でタフガイパートナー(デカい)と互いを撮り合い、風の防げる位置まで降りて一服した。

 

雪はかなり少なめと感じたが、山頂標識は意外なほど埋まっているなという印象。

11月と比較するとよく分かると思う。

traverse.hatenablog.com

 

赤岳を継続して登るため一般道を下っていく。

 

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まずは中岳のコル方面へと下りて、文三郎道分岐まで登り返す。この登り返しは強烈な見た目の割に意外とすんなり終わるなあといつも思う。文句しか出てこないけどな!

 

西壁の主稜を攀じ赤岳へ

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文三郎ルートを少し下降し、標高2650m辺りから赤岳沢右ルンゼを50mほどウルトラトラバース!して主稜取り付きへ。雪崩などを懸念していたが今回は雪質もよく杞憂に終わった。

 

主稜はII〜Ⅲ級主体のルート。確保が必要なピッチ、というか3つのセクションだけロープを出して、残りのほとんどはコンテで進んだ。

 

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1ピッチ目はshoリード、チョックストーンを越えてから10mほどチムニー状を進みバンドにぶつかる、右上していくと終了点あり。

 

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2ピッチ目は僕がリードで、5mほどの簡単なフェースを一段上げると緩やかなガレ雪原に出るのでピッチを切る。ここで一旦チェストコイルを作り上半の岩場まで傾斜の緩いガレ岩稜をコンテで進んでいく。

 

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下半の岩場が終了し、ここから上半へ。

 

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写真向かって左側からルンゼ沿いに上がってくるピッチだが、個人的はここが一番怖かったのでロープを出した。

 

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主稜で唯一のⅣ級のチムニーを越えて一般道へ合流。2時間45分ほどでトップアウト。

最後の方はヘロヘロすぎて、トップを行くshoにほとんど引き摺られていた。犬の散歩か?

 

山頂直下でロープを片して、文三郎道で行者小屋へと下降。

翌日は鉱泉キャンディで遊ぼうとシングルロープを担いできたが、低気圧が連続で流れ込んできているためこの日のうちに下山することとし、テントを撤収。

 

国試でなまった体に14時間行動は本気でキツくて下山中は魂が抜けた。お互い無言、マジ無言。ヘッデンで美濃戸口へ戻ってくるときには千鳥足だったが達成感のある山行だった。