Almost boring

いいかんじに三十路突入

【御在所】雲の流れる中尾根を登攀

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中尾根 P4

 

クラッククライミングの名所へ

クラックを触りたいという思いがあり、キダを誘ってオケラクラックで有名な宝剣岳中央稜の登攀を計画していた。が、当ルートはアプローチに雪がなくなると山頂から懸垂で取り付くことになるため、それちょっと違くね?と万丈一致で否決、かねてより気になっていた御在所岳中尾根登攀を計画する運びとなった。

 

中尾根はP1〜P5からなるクラック主体のルートで、主にP4(展望台)、P3(ツルム)、P2(オニギリ)がよく登られており今回の計画もそのようにした。

 

あ〜前置きめんどくせ〜w

パートナーのキダは一年前にP4、P3をナッツ縛りで登っているので安心してリードを任せたが、かなり苦しいポイントも多かったようで1ピッチをリードするのに30分以上かかることもあった。

クラック童貞の僕は全ピッチでリードをキダに任せるチキンぶりを発揮し登攀に臨んだが、セカンドでも肝を冷やすことが数回あり、残念ながら自分の判断は間違いではなかった。

アルヌンは8本で十分に足りた。5本もあれば困ることは無さそう。カムは#2、#.75、#.5などを多用した。

 

ルート、トポなど

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御在所概念図
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中尾根 ルート図

P4から中尾根に取り付く

7時ごろ裏道駐車場到着、いつも通り藤内沢出合から左に折れて一壁まで上がり、バットレス方面にトラバースして1ルンゼ右俣を詰めていくとP4取り付きに出る。8時半ごろに取り付きに到着し登攀準備し、8時50分ごろに登攀開始。

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中尾根P4(展望台)取り付き

中尾根P4(展望台)

ガスったり晴れたりで天候はイマイチだったが午後になるにつれてどんどん晴れていった。途中、水が足りなくなってキダから分け与えてもらいチビチビと飲んでいたがこの時期は最低でも水は1L以上持っておいくべきであった。

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P4(展望台)1ピッチ目

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P4(展望台)2ピッチ目

P4はV NPの2ピッチのルート。1ピッチ目は下部がハンドサイズのクラック主体、上部が狭いチムニーでザックがあると苦労する。下降でこの取り付きに戻る予定がなかったのでザックを背負って登ったが実際に苦労した。ザックも少し破れてしまった。

核心はおそらくチムニー部分。僕は体が大きくザックを背負ったままでは抜けれなかったため、身体を少しだけ外に出してレイバック気味に越えた。2ピッチ目は100岩場の本ではかぶり気味で厳しいと記載があるがホールド豊富で短く容易。

 

中尾根P3(ツルム)

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P4終了点のテラスよりP3取り付きを臨む

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P3(ツルム)V NP 1ピッチ目

P3(ツルム)への取り付きはロープを結んだままクライムダウンとした。

ルートはV NPのルートを選択。テラス直下が厳しいようでキダも蝉と化していた。中間部以降はテラス直下まで広いチムニーの左右のホールドを使いながら登っていくがムーブがよく分からずパワー頼りの登り方になってしまい消耗した。

ツルムのコルへと懸垂する

テラスの終了点からはチョックストーンをくぐるように進むとツルムのコルへの懸垂点が打たれている。これを利用しツルムのコルへ降りてP2(オニギリ)に取り付く。ザックはツルムのコルにデポした。

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ツルムのコルへ懸垂

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懸垂距離は15m程度

中尾根P2(オニギリ)

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P2(オニギリ)1ピッチ目

P2(オニギリ)は1ピッチ目ダイレクトルート 5.10b、2ピッチ目がⅤのルートをとった。取り付きは崩壊しており僕たちにはエイドが必要だった。僕たちは120、60cmのスリングをアブミのように使ってA0したがこれがまた難しかった。

アブミで一段上がったフェース部分も普通に難しくてワロタ。信頼できるボルトが打たれているので安心はできるがフットホールド乏しく、クラックも浅いためいやらしい。

2ピン目をクラック沿いにカムでとってからクラックを左上していく。クラックを抜けてからはフレーク多目でホールドに困ることはなくなり容易。直上し滑り台のようなスラブを右上しやがて終了点に到達する。

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P2(オニギリ)1ピッチ目終了点

終了点は1人が座れる程度の狭いテラス。藤内沢やP3(ツルム)がよく見渡せる。

2ピッチ目はホールド豊富で斜度も緩く容易だが終了点直下が被っていて悪い。ハンドサイズのクラックに腕をブチ込み固定して無理やり越えたが厳しかった。トップアウトは14時半頃だった。

下降ルートなど

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下降ルート

下降はまずP2終了点横の懸垂点からツルムのコルまで懸垂する。50mを連結すれば1回でツルムのコルまで降りれる。(緑色)

ツルムのコルを1ルンゼ方面に20mほど歩くと懸垂点あり。(緑色破線)

ツルムのコルから1ルンゼ右俣へ懸垂する。これも50m連結で十分に足りる。(オレンジ色)

2回の懸垂を終えロープを束ね、少しクライムダウンするとアプローチの踏み跡に合流する。

 

登攀自体も時間も長かったが、休憩を多めにとったこともあり計画書の記載時間を大幅に過ぎてしまった。また、水分を十分に携行していなかった。アブミなどエイド技術が未熟で難儀したことなどが反省点として挙げられるので今後に生かしたい。登攀そのものは全てセカンドであったが、クラック未経験者で自分の実力以上のルートだと思っていたので無事トップアウト出来て感無量であった。次回訪れるときには全ピッチリードできるようになりたい。