Almost boring

いいかんじに三十路突入

【御在所】達成と反省

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前尾根P2 櫓からP4を望む

 卒業試験が終わって1日、弛んだ体に鞭打ってトシヤと御在所へマルチピッチしに行った。過去に何度か前尾根にはきているけど下から上まで全部通して登ったことがなかったし、今までノータッチだった櫓にも触ってみたかった。正直、前尾根のノーマルルートなんてあんまり書くことないんだけれど、今回は全体を通してマルチピッチの手順に不備があって時間をロスしたりスムーズに登攀が進まないことがあったので忘備録的な記録を残そうと思う。トシヤからも、ダメだったところや感じたことを正直に書いてくださいと言われたのでおじさんグチグチ書いちゃうぞ〜。

 

御在所岳 前尾根マルチピッチクライミング 7h20m

裏道登山口(6:50)〜前尾根P7取付き(7:30-7:50)〜P2トップアウト(12:30-13:00)〜藤内小屋(13:50)〜裏道登山口(14:00)

 

取り付きまでの登山道には結構な数のパーティがいたので全部抜くつもりで大急ぎで取り付きに向かう。取り付きまでに全てのパーティを抜き、見える範囲では先行のいない状態で到着できた。

 

P7はノーマルルートを僕がリードで登る。後続が2パーティいたので、本来の終了点ではなくさらに少し伸ばしたテラスで切った。久しぶりのクライミングでリードだと上部で木の横のカンテを一段上げるのが怖い。

 

P6までの歩きのセクションはトシヤにロープを繋いだまま歩いてもらい、確認がてらセカンドをビレイしてもうよう頼んだが一向にコールがこない。トポが頭に入っておらずボルトの位置を探すのに手間取ったらしい。トポはしっかりと暗記するか、ジップロックなどにでも入れていつでも取り出せる位置に入れておこう。

 

P6はリッジルートを続けて僕がリードする。ここの終了点でチムニールートでビレイしていた方に見覚えがあり話してみると自宅近隣の某アウトドアショップのスタッフだった。過去に店舗でジェットボイルのガスの組成などについて質問したため困らせてしまい最終的には代理店まで繋いでもらい組成を知ることができありがたかった。そんな面倒な客をしてしまったエピソードがあったおかげで向こうも覚えていてくれた。山の世界は狭い。

 

P5は北谷側のルートをタイトロープのコンテで。チェストコイルの作り方とタイトロープの原理を頭に入れておこう。次は藤内沢側ルートをやってみたい。

 

P4下半はトシヤが凹角ルートをリード。後続パーティの方に凹角のカムを抜いてもらい僕はセカンドで上部だけ5.9のクラックルートを登ってみた。次回はすべり台かレイバックを登りたい。

ここではトシヤのメインロープのセルフがクローブヒッチではなくムンターになっていた。引くと少し動くと本人も気がついていたらしい。ノットの結び方を覚えるのは大切だがそれ以上に形を覚えよう。目で見た瞬間にノットの形に違和感があればそれは間違っている可能性が高いし、今回のように少し動くことに違和感を感じていながらも間違っていると判断できないのは危険だ。

P4上半は僕がリードで上部ルートを登った。

 

P3は歩いて通過。

 

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ほんで今日のデザートのP2櫓。結局A0しちゃった。見た感じリードでいけそうだったので譲ってもらい、軽やかに発射し1個目のカムを挿したところで一旦テンション。左手の指が悴んで思ったようにフリクションが得られなかった。少し温めて再スタートするも次はザックが邪魔で邪魔でしょうがなかった。う〜んストレスフル。なんとかジリジリ身体を上げていってトップアウト。ザックなしのリードなら気持ちよく登れそう。てかなんでザック置いてかなかったんやろ。アホか?

 兎にも角にもふたりで無事前尾根を完遂できて中々の達成感だった。

今回は5時間10分と時間がかかってしまったがこのようなノーマルルートは安全とスピードの両立を目指してタイムを縮めていこう。

 

基部に結構な人がいたので懸垂せずに装備を片して巻道を降りていったが濡れていたので結構怖かった。

 

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しばし休憩の後に前衛ルンゼを下降。

先行の3人パーティは懸垂で降りると言っておりロープをそのまま使っても良いと言ってくださったので少し迷ったが、僕たちは歩きで降りた。北谷基部で裏道に合流するあたりで前衛ルンゼを振り返ると未だに懸垂の準備をしている姿が見えたのでやっぱり歩いたほうが普通に早そうだ。登山道に降りてからは学連の伝統に則り走って下山した。

 

マルチピッチを約半日で楽しめるコンパクトさに加えて、毎度のこと課題を与えてくれる御在所はやっぱり良いところだった。

先生と呼べる存在はいるものの、継続して頼りにできる先輩がいない僕たちは、安全なマージンをしっかり取った上で自ら学んでそれを使えるようにしていくしかない。出会った時はビレイすらも怪しい状態だったが約半年でマルチのパートナーとして一緒にクライミングに出掛けられるようになれたのは努力とやる気の賜物だと思う。自分も人のクライミングに対してあれこれ物申せるレベルではないが、安全のためのシステム面に関しては人一倍気を遣って学んできたつもりだし、これからもそのスタンスを崩さずにやっていきたい。