Almost boring

いいかんじに三十路突入

【北アルプス】上高地から西穂高岳へ

 

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世間では梅雨入りし、休日と晴天がなかなかマッチしませんが、なんとか日中は天候が安定しそうでしたのでザ・穂高入門な西穂高岳まで岩稜歩きに行ってきました。

 

西穂の稜線へは、新穂高ロープウェイを利用すれば終点駅から西穂山荘まで50分ほどの林道歩きのみ、と格段に便利ですが、「山行はできるだけ自力で。」がモットーなので上高地から上がるルートを選びました。このルートであれば新穂高ロープウェイの営業時間に左右されず、融通の利く山歩きが出来るという利点もあります。

 


上高地西穂高岳登山口 ▶︎ 西穂高岳山頂 ▶︎ 上高地BT】12.1km 活動時間10時間15分(行動時間8時間50分)

上高地西穂高岳登山口(8:00) - 西穂山荘(10:00-10:15) - 西穂独標(11:23) - 西穂山頂(13:05-14:00) - 西穂独標(15:35) - 西穂山荘(16:10-16:20) - 上高地西穂高岳登山口(18:00) - 上高地バスターミナル(18:15)

 

 

西穂高への山行を決めたのは前日の夜なので、準備やらなんやらで就寝が遅くなってしまい、朝も比較的遅めのスタートです。

今回も例に漏れず、沢渡大橋梓駐車場に車を置かせてもらって、7時20分のバスで上高地へと入りましたがバス内には登山客は全くおらず、ハイキング客のみでした。

上高地より西穂高岳山頂まで上がる今回のコースは、山と高原地図さんの標準コースタイムは11時間55分(休憩含まず)とのことですが、健脚の方であれば大幅に短縮できるかと思われます。山は早出が基本なのは言うまでもありませんが...

 

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バスを帝国ホテル前で下車し、田代橋方面に歩いて行くと登山口が見えてきます。

ここから中尾根を登っていきます。山荘までの中間地点であり水場である宝水までは急坂との記載がありますが特にキツいと感じる箇所はありません。

 

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写真のように木段で整備されている箇所も多く登りやすい道が続きます。

 

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西穂山荘と西穂高岳独標の間の西穂丸山がチラ見えします。

 

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一部痩せ尾根を通過しますが整備が行き届いているので問題なく歩けます。

 

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登山口から1時間弱で宝水へ到達します。水場は向かって左手に3mほど降りたところにあります。穂高山頂へはここが最終水場です。

 

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宝水から30分ほどで木道という残雪のある開けた空間に出ます。

無積雪期は夏道が明瞭で問題なく通過できると思いますが、残雪期は夏道と冬道が混在していてめんどくさいです。夏道の木のステップも雪が残っていると鬼のように滑るので踏み抜き覚悟で雪のトレースをたどる方が早いです。

 

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雪の残る箇所を通過して、振り返った写真です。

写真奥から手前に雪の残る部分をまっすぐ歩いてくるのですが、倒木で塞がれているので一瞬『????』となりますが気にせず乗り越えてモリモリ進みましょう。

 

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その後、焼岳・西穂方面への分岐のある三叉路に出ます。

ここから西穂山荘は10分ほどで到着します。

西穂山荘までは標準コースタイムが3時間50分となっていますが、このように歩きやすい樹木帯が続くので多くの方は2時間ほどで上がってこれるかと。

 

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西穂山荘まで出るとロープウェイで上がってきた軟弱者たちと合流します。(こら)

中越しに焼岳が望める。

 

雲も多い空模様ですが、雲が山に影を落とす姿もまた一興ですな〜

 

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西穂山荘で一息ついて稜線に出ます。まずは西穂丸山を目指します。

 

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ガスってる西穂方面とは違い、右手の上高地方面は視界明瞭です。

上高地では、穂高連峰率いる北アルプスのエースたちが注目されがちですが、霞沢岳の山容もとても魅力的だな〜と思う。明神分岐から登山道が整備されているのでそのうち登ってみよう。

 

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眼下の帝国ホテル。

 

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大正池

 

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強い日差しとガスのコラボで上高地が幻想的です。

 

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11時半頃、独標に着く頃にはガスで真っ白です〜

独標までは危険箇所がないので、ロープウェイで上がってきただろう観光客的な方もちらほら見かけます。スタートが遅かったのでロープウェイ利用客のピークなのか、独標は人でごった返していました...

 

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11峰である独標よりその先から主峰(1峰)である西穂高岳山頂まで岩稜帯がスタートします。まずは垂直のような壁を降りていきます。山頂までも三点支持を意識していけば特に危険に感じるような箇所はないです。

 

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ガスが切れると展望は途端に良くなります。笠ヶ岳に見守られながら進みます。

 

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独標(11峰)から1時間ほどでピラミッドピーク(7峰)に到達。

小休止していると・・・

 

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ガスが一時的に晴れて稜線の奥まで視界が開けました。

向かって右手に見えているのがチャンピオンピーク(4峰)で左側のさらにその奥にあるのが主峰(1峰)です。ここから山頂までは1時間ほど。

 

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 計11峰のピークを歩くルートですが、すべてのピークを踏む訳ではなく巻いて通るピークもあります。チャンピオンピークは標識すらなかったような...

 

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 2峰を大きく巻いて進むと主峰直下の岩登りが始まります。この斜面は浮石が多いため落石を作りやすい上に斜度も比較的高く滑落事故に繋がりやすいため注意が必要です。

ヘルメット忘れの相方は西穂山荘で1日レンタルできるヘルメットをお借りしました。(¥500/日)

 

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ガスで展望もないのでパシャパシャ撮らずにモリモリ登っていたらあっという間に山頂です。にしてもまっしろ。芸術的なほどまっしろ。なんにも見えません。

出発が遅かったため、本来ならば休憩もなしにピストンするべきですが、下りで巻けばいいか!という相方との決議のもと、炊事しながら晴れ間を待つことになりました。

「どうせここまで来たし、晴れるのを待つよ。明日の仕事は休みにしたし、今日は山荘に泊まることにしたんだ〜。」などと強めな発言をするハイキング姿のおっちゃんと談笑しながらモリモリとご飯を食べました。

 

そんなに都合良く晴れてくれるわけもなく、1時間ほど過ごしていると次第にガスの切れ目が現れるように。

 

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圧巻の笠ヶ岳

超ロングルートでテン泊客には敬遠されがちらしい。ということは閑散としたテン場で孤独に浸り、山を独り占めできるということ。これに勝るものはない。

行かねば。

 

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う〜ん、いいね。

 

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 たまらん。

 

時刻は14時を回り、上高地ルートとは言っても19時には釜トンネルが閉鎖されて陸の孤島と化してしまう為そそくさと下山します。下りのコースタイムは5時間なのでまず絶望的である。 

 

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行きはヨイヨイ、帰りはなんとやらと言うように、下りの方が注意すべきことが多く思ったより早くは進みません。少しでも晴れるたびにカメラをパシャパシャやってるしね...

 

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別段気を使うような箇所ではないですが、幅の狭いトラバースなどもいくつかありました。

 

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上高地への特急列車。ここを滑り落ちると速攻の下山をカマせますが、命が乗車券になってしまうので注意しましょう。

 

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主峰を振り返る。

 

 

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4峰からの下り。見渡すとまるでゴジラの背中を歩いている気分です。

ロープウェイの営業時間が終了に近づいているので、稜線上には先ほどのおっちゃんと僕たちのみです。

 

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ピラミッドピーク。

 

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独標、丸山と続く稜線。西穂山荘はずっと遠くに見える。ガスで視界が利かないと目の前の岩に集中して進んでいくのであっという間に目的地ですけど、これだけ遠くが見渡せると気が遠くなる。

 

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独標。

山頂側から見ると、独標直下の岩壁がどれほど急か分かる。

 

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行きとは打って変わって、独標の遠景もステキです。

 

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向かって左の見切れているのが霞沢岳、西穂の稜線よりさらに奥に焼岳。焼岳の手前には焼岳火山帯に含まれるとされる鍋割山かな?ずっと奥には乗鞍岳が鎮座している。

 

こんな風景を目に焼けつけながら西穂山荘まで延々と下り、面白くもなんともない樹木帯を辟易しながらモリモリ下って、無事上高地へと下山できました。

18時の上高地は人の気配すらせず、バスの便など当然あるわけもないのでタクシーで下界まで降りました。

 

今回の山行はイレギュラーな計画でしたが午後には天候が崩れることも多いので控えるべきでした。やはり早出がジャスティスの精神でやっていこうと思います。この先に控える西穂 - 奥穂高岳縦走に向けての良い予行練習になったのではないかと思います。

 

では、西穂高岳に行かれる方は、くれぐれをヘルメットをお忘れなきよう。