未だに氷結がよく、前回の候補にも上がっていた八ヶ岳の南沢大滝・小滝へ。
ルート、行程など
南沢大滝・小滝アイスクライミング
赤岳山荘駐車場(7:35)〜南沢小滝(7:40-11:30)〜大滝(11:40-16:15)〜駐車場(17:10)
赤岳山荘からアプローチ
長く退屈な林道をスキップ、おばちゃんに駐車料金を払って赤岳山荘から楽々スタート。
気温は0℃ほど。まずは南沢ルートを滝方面への分岐のあるロープまで1時間ほど進む。登山道はツルツルに氷結していていやらしい。スタート直後にチェーンスパイクを車に置いてきたことを後悔。
南沢の小さな滝もよく凍っていた。
この辺りで右側のロープをくぐり登山道脇のトレースを進むとすぐに小滝が見えてくる。
南沢小滝へ
この日は一番乗りだった。小滝の釜の部分は氷のテラスとなっているのでここでゆっくり準備。
真ん中あたりの表面で少し水が流れているが左右のルートは登れる。左のルートは階段状で右の方は比較的立っているが穴ボコだらけで易しそう。
ディーアイさんにリードで登ってもらい、TRを張り、5本ほど登って今回も基本的な動きを確認した。
踵を下げるとモノ以外の前爪も氷を捕らえるので安定するが、腕を伸ばし切ってアックスを打ち込むタイミングで踵が上がってしまい、外れかけることが多いので気を付けたい。3枚目、踵の上がっている悪い例。
この日は、他に3パーティとハイカーがひとり。某有名ガイドもいらっしゃっていた。
めぼしいルートは登ったので大滝へ移動。
南沢大滝へ
小滝から大滝を直接見ることはできないが、10分以内の距離にある。
京都のMさんパーティと我々の2パーティのみの貸し切り。
ディーアイさんがリードで登りTRを張る。2段合わせるとスケールが35mほど?あり、支点が落口から少し離れているので、1本のロープでは足りない。なので、50mダブルと60mシングルを連結して、ダブルをクライマー側に、シングル側をビレイヤーデバイス側で確保用とした。
リードで登るMさんとディーアイさん。
高度感が気持ちいい。
けれどⅣ〜Ⅴ級のこのスケールではレストを挟まないと全然登れない。まだまだ腕に頼っている感じだ。
逆Y字のスタイルを徹底して、両手のアックスを決めたら、下をのぞいて足を決める位置を探し、しっかりと蹴り込む。体を上げ、蹴り込むときだけはしっかりとアックスを握る。足を決めたら、腰をよじり、滝に擦り付けながら膝を伸ばし体を上げる。この時に手には頼らない。アックスは、あくまで滝側に体を引きつける目的として使い、なるべくパンプしないようにする。
南沢大滝は、標高が高いので氷がドライで硬く感じた。醤油樽の滝では湿氷だったので、ピックを研いでいない自分のアックスでもすんなり刺さってくれたが、今回はそうも行かず、大滝ではノミックを借りて登った。
ディーアイさんに撮っていただきました。
3人以上のパーティで来て、フィックスユマールで撮るやつやりたいっすね。
休憩も挟みつつ、時間も時間なので最後の1本にトライ。
省エネを徹底して力尽きることなく登れて気持ちよかった。小滝、大滝含めて10本ほど登って本日の練習終了。
西日の木漏れる南沢を転けまくりながら下山した。
ディーアイさん、お世話になりました!
今回使った装備、参考書籍など
3シーズンは同メーカーのトランゴタワー、TX4を使用。
冬は分厚いソックスやネオプレンソックスを使うことが多いので国内展開のないハーフサイズを使用中。インナーのボアクロージャージシステムが便利でありがたい。アプローチは緩めで履いて、登攀時はガッチリと増し締めするのは紐靴ではめんどくさいがこれならスムーズ。
ドライからミックスまで幅広くこなす、国内で最もよく見かけるアイスツール。
廣川本と呼ばれるアイスルート集の最大手。
ザックにひとつ入っていても気にならない。ないと困る。そんな絶妙な立ち位置。
転んでケツを打ちたくない人はひとつ持っておきましょう。自分はモンベルのチェーンを愛用。
Ice & Mixed Climbing: Modern Technique (Mountaineers Outdoor Expert)
- 作者:Gadd, Will,Chayer, Roger
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: ペーパーバック
アイスクライミングの神様と名高いウィル様のアイス&ミックス教本。晩酌しながらディーアイさん宅で読ませていただいた。古い書籍だけど内容は色褪せない。登攀技術から食事の構成まで幅広くカバーされている。