クライミングシューズも増えてきたことだし現時点での忘備録的なサムシングを残しておこうと思う。「シューズレビュー」はツヨツヨクライマーの諸先輩方のブログのが為になると思う。ギシヤMAXさんとかだとばぐさんのブログおすすめです。この記事は偏見と独断に基づく、あくまで「シューズインプレッション」
主なスペック
使用者のスペックは、2018年12月にロープを初めて握り、2019年はⅣ〜V級や5.9のような易しいクライミングを月1くらいの頻度で細々と登ったり登らなかったりして、2020年7月頃からフリークライミングにハマった初〜中級者。
▼クライミングの内容
外岩のリードがメイン。トライのグレードは5.10台後半から5.12a。リードジムでは10〜15本登るエンデュランストレーニングがメイン。ボルダージムは月2回くらいの頻度で、たまに3級が登れて喜ぶ。外岩ボルダーは数回程度の素人童貞みたいなものなので言及しない。これらの同等スペックのクライマーなら多少は参考になるかも。
▼シューズへの偏見と思い込み
基本的には固めと柔らかめの2足があれば良い。それだけで大体こなせるはず。
「このシューズでないと絶対に登れない」なんてのはよっぽどの高グレード(5.13以上や初段以上)じゃなければあり得ない。でも「このシューズだと多少は楽に登れる」とか「このシューズだから登らせてもらえたんだな」ってのは確かにあると思う。キツいシューズが死ぬほど嫌い。最近のシンセティックレザーのシューズはそもそも攻めなくていい設計だとどっかの聞き売りを信じている。
▼足型
第二足趾が最も長い(親指とは3mm程度の差)ギリシャ型で、幅広甲高だと思い込んでいた。
実際はどうなん?
足型をZOZOMATで計測してみた。
計測結果は、ギリシャ型、足幅は標準的(E)、足甲は低めと今までの思い込みとは違う結果に。 足の長さは左右で2mmの差があり足囲だと7mmも違うとは思ってもみなかった。シューズによっては左足先のが圧迫感を感じることがあるし、スカルパシューズでベルクロが余ったりして甲が低いのかもしれないと薄々気づいてはいたが計測結果を見て納得。
ZOZOMATであれば5分足らずで以上の計測結果が出るので、そのデータを元にZOZOTOWNでバンバン靴買っちゃってください。
購入遍歴
2018/12 5.10 ROGUEベルクロ
2020/3 LA SPORTIVA オタキ
2020/6 LA SPORTIVA コブラ、LA SPORTIVA ミウラ(2足目)
2020/8 LA SPORTIVA TCpro
2020/11 Adidas 5.10 ハイアングル
2020/12 Scarpa ARPIA、LA SPORTIVA コブラ(2足目)
各シューズのサイズと印象(2021/2現在)
いよいよ本題。
サイズは基本的にEURサイズ表記。アディダスファイブテンではUK表記がメインのようなので便宜的にそちらで。どのシューズも20〜30分履いていられるサイズ感。ビニール袋噛まさないと履けないとか攻めたシューズは持っていない。
●ファイブテン ROGUEベルクロ
サイズ:42
主な使用エリア:御在所(花崗岩)
ソール:STEALTH C4
所感:人生で初めてのクライミングシューズ。右も左も分からないままにネットでポチった。サイズは失敗したくないので大きめにして、買った当初から無限に履いていられる感じだった。このシューズでデジマルグレードのついているルートはほとんど登っていない。
サイズ:41、40h
主な使用エリア:御在所・豊田・瑞浪・小川山(花崗岩)、恵那笠置山(凝灰岩)など
ソール:Vibram XS edge 4mm
所感:笠置山のリードエリアに通っている頃のメインシューズだった。人生2足目のクライミングシューズとしてサイズ41を最初に購入したが拷問のような痛さで購入当初は全然履かず。
そんなある日、瑞浪で、どう見ても乗り込めないような花崗岩の結晶で立てた感動で履き続けるようになる。何度も言うけど花崗岩のスラブならミウラ一択。逆に、鳳来のような強傾斜では足にしっかり体重を乗せないとソールが弾かれてしまう。
ある程度馴染んで、摩耗でソールも薄くなってくると足裏感覚も出てきて、スメアもエッジングもこなせるオールラウンド系になる。カチに引っ掛ける系ヒールはチートレベルでもはや感動する。(あんまり出番ないけど)
リソールのタイミングでさらにハーフサイズ下げたものを購入。豊田ボルダーのスラブの結晶とか、頭では理解できないけどミウラなら何故か乗れる。
●LA SPORTIVA オタキ
サイズ:40h
主な使用エリア:伊木山(チャート)、恵那笠置山(凝灰岩)など
ソール:Vibram XS edge 4mm
所感:足型は全然違うけど、感覚としてはミウラからスメアを奪って剛性感を上げてエッジングだけに特化させた「ぼくの考えたさいきょうのえっじんぐしゅーず」みたいなヤツ。特に極小カチホールドに立ち込んだときにアイゼンの前爪で立っているような安定感があってP3システムすげ〜と思った。オタキでなんの気なしに立っていたホールドに、ミウラで立つと安定感がなくて足置きに不安が残るレベル。それぐらいの剛性感がある。それでいてラストは幅広大きめの作りで足入れもよい。ベルトギチギチでも甲の部分は少し隙間が残るけど、シューズの中で足が動くとかはない。ヒールは僕の実力では可もなく不可もなく。
スメアは知らない子。でもジムでもたまに見るので人によっては使えるんだと思う。
サイズ:39h、40
主な使用エリア:白嵓(石灰岩)、鳳来(凝灰岩)、湯河原(凝灰岩)など
ソール:Vibram XS grip2 3.5mm
所感:言わずと知れたスリッパタイプの名作。39hが外岩用、40がジム用。
39hは購入当初は痛くて5分と履いていられなかったが、レザーがみるみる伸びて足形にフィットしてからは適度な締め付け感が維持されている。僕の足長に大して39hぐらいのサイズ感だと履き古してもダウントゥが維持されている。足裏感覚が良く、ソールも柔らかいので足指でホールドを掴むような掻き込み感があったり、クライマー側の主体的な足使いができるといった印象か。特別な機能を持ってるわけではないんだけど、素直に扱えるのでイチバンのお気に入り。フェース〜強傾斜なら外でも中でもまずはこのシューズで。
●LA SPORTIVA TCpro
サイズ:42
主な使用エリア:マルチピッチ全般
ソール:Vibram XS edge 4mm
所感:硬い、まっすぐ、デカい。サイズは無限に履いていられるサイズ感で購入したがソールが鬼硬いので細かいスタンスも意外と踏んでいける。正直あんまり履いていないので「マルチ用のただのデカい靴」に成り下がっている感がある。クラック専用シューズにしているクライマーも多い。攻めたサイジングにしてメインシューズにしている変態もいるらしい。
●Adidas 5.10 ハイアングル
サイズ:US9(UK8h)
主な使用エリア:白嵓(石灰岩)、椿岩(石灰岩)、鳳来(凝灰岩)、湯河原(凝灰岩)など
ソール:STEALTH C4(ヒールはSTEALTH HF)
所感:現在の本気トライ用シューズ。購入当初は履くのに苦労したが、一度足が入ってしまえばボックス構造が大きめなのでわりかし快適。フェースの極小スタンスにも乗り込めるし、強傾斜でもホールドに点で触れていれば足が切れない。大体のルートはこれでこなせる優等生的な存在。これで足が切れたり、乗り込めないのなら実力不足だと諦めが付く。しいて言えば、花崗岩スラブだけはミウラが圧倒的に有利なので使わない。粘り気のあるソールなので一気に減りそうだし。ヒールは真下に引く系だとシューズが撓(たわ)んで足裏が浮く感じ、というか脱げそうな感覚があるので好き嫌い分かれるかも。押し付ける・乗り込むヒールはHFラバーのおかげもあり安定感がある。
岩場に持っていくのはコブラとこの2足。
●Scarpa ARPIA
サイズ:41h
主な使用エリア:ジム
ソール:Vibram XS grip2
所感:ジムでシューズを忘れたので咄嗟に買ったシューズ。アッパーもヒールも柔らかく足入れは超快適。このサイズだと足先が少し当たるかな程度だが、大きめのボックス構造だからかきつく締めるとタン部分とベルトが余る(使用には困らない範囲)。セパレートソールで全体的には柔らかめに分類されるシューズ。フロントピースはやや硬めのシャンクでソールはVibram grip2で悪めのフットホールドもじわっと踏み込める。ヒールは普通、トゥは知らん。個人的にリードジム用では満足。外では使っていないので未知数。
まとめ
大雑把に早見表を作ると以上が全て。
最近だと鳳来がメインの岩場ということもあるけど、初見でもコブラとハイアングルを持っていくことがほとんど。車の中に攻めたサイズの方のミウラが放り込んであるので、その2足ではどうも対処できないようであれば駐車場まで取りに戻ればいい。ちなみにジム用のバッグにはコブラが入れっぱなし。
まだまだ気になるシューズも多々あって、TENAYAのオアシ、スポルティバのセオリーやソリューション、スクワマとか履いてみたいけど、今のスタイルだと手持ちのラインナップで不足を感じないので購入動機に欠ける。
2021年2月現在ではコレだけど、クライミングスタイルが変わればまた新しい偏見が上塗りされて、使い分けも変わってくるのだと思う。