2日間の有給を取って、秋のロックトリップへ。
先日の椿岩 から仕事に直行して当直業務をこなし、翌朝帰宅してパッキングの確認後に即出発。名古屋から3時間半ほどかけて初めての小川山へ。
この日は登ることよりも、点在する岩場の位置を把握できればいいやくらいの気持ち。
14時ごろに到着して、南陵レモンから降りたてのミキさん、あさこさん、サトシさんと合流。
初めての廻り目平。すべてが新鮮。
ミキさんにマラ岩方面の有名ルートを案内してもらう。
広場の横の林道を進み、左に折れて渡渉する。飛び石は自信がなかったので靴を脱いで渡ったけどもはや冷たいを通り越して痛い。
15分ほど登るとマラ岩西面に。「届け手のひら 5.10c」にクライマーの姿が。
左の方から回り込むようにさらに上がると妹岩の基部に達する。休日はかなり混むエリアのようで大賑わいだった。
このクラックは「カサブランカ 5.10a」
順番待ちで結局取り付けず。
マラ岩東面の「レギュラー 5.10c」を登るクライマー。2人待ち。ディズニーランドかよ。
僕の目当てのルートでもあったので粛々と待つ。
あさこさんがお隣の「イレギュラー 5.10d」に登るのを見学。
大きな岩が観客席のようになっていてイイ感じ。
レギュラーの方が中々空かないので、僕もイレギュラーを登らせてもらった。リードでいけ!って劇を飛ばされたけど、小川山で初めてのルートだしビビってTRで。超絶カチが続くフェイスで2ピン目あたりで速攻テンション。探ればムーブはどれも可能だったけど、オンサイトはムリッス。マジでリードで突っ込まなくて良かった。ランナウトしてるし。
レギュラーの方はピン間隔も狭いし、次回訪れる時はOSトライしたい。
この日はカサブランカも空かずで、17時ごろ下山して幕営した。
明日のパートナーであるコタオと合流して、焚き火にビールと前夜祭にしけこみ、10時ごろには就寝した。
朝の気温は2度まで下がって、車には霜がビッシリ。8時前にキャンプ場を出発したが、あまりにも寒いのでダウンを着たまま歩き始めた。
まずは日本一有名なクラックのある親指岩を目指す。
迷いに迷い、30分くらい彷徨ったが、アプローチは広場横のリンドウロッジから右の有料キャンプサイトに入り尾根芯を外さずに10分ほど登れば辿り着く。踏み跡も明瞭。(下山時に確認)
神々しいほどの白さと鋭さのクラック「小川山レイバック 5.9+」
写真で見たまんまの美しさにまるで観光客みたいにキャッキャ騒ぐ。平日だからか超貸し切りでハッピー。
取り付きはテラスになっている。
出だしはフィンガーから始まりハンドに、テラスを越えると抜け口まで広めのハンドが続く。
ギアは#.75*2、#1、#2*2を使った。
出だしだけレイバックしたけど左の壁は踏まれすぎてツルツルだし、TCプロだとスリップしまくったのでミウラに履き替えてトライ。出だしがフィンガーで難しいけど、テラスを取っちゃえば足切って上がれるし、抜けのマントルもスタンスあるし、右はガバハンドなので易しい。危なっかしい感じでOS。
手の厚い男はジャミンググローブ使うと中間部もハンドが入り切らなくなるからテーピングで登る方がベター。
OSトライは超絶ビビリが入ってジワジワ登ったけど、TR張ってから登り直したら一瞬で終わった。
コタオもTRトライでノーテンじゃん。テラスは完全レストできる。
カム挿しもやってお互い2便ずつ。ビレイ中はクソ寒いのでモコモコダウンでミシュランマンでした。後続にガイドパーティが来たので譲る。
ガイドは出だしのフィンガーからジャムってた。惚れ惚れするような綺麗なムーブだったな。
トポを参照すると、親指岩周辺は12台を登るお猿さんたちしか楽しめない様子だったので、次の岩場へ移動。
金峰山荘から金峰山川へ降りて適当なところを渡渉。ケルンは積んであったが悪そうな感じ。昨日の渡渉で水温の低さには懲りていたので、僕は飛び石を使ったけどコタオは脱いでた。
超絶寒そう&痛そう(ハナホジ)
渡渉を終え、数分で兄岩下部スラブへ到着。
左上するクラックの左側が「タジヤンⅣ 5.10a」で右側が「三日月のピンクリップ 5.10b」
タジヤンは中間部で右に少しトラバースする一手が不安になるが10aらしい10aでOS。
開拓者が田島厚美さんなのでタジヤンなんだってさ。
三日月のピンクリップの方は2ピン目上で立ちこむのが核心だろうが、ドはまりしてしまって登れず。「最強の10b」の称号は伊達じゃないな。右に少し逃げてトップアウト、回収。次回はピクニクラにトライするために60m以上のロープで来よう。
岩場散策をかねて次の岩場へ。上へ上へと登っていく。
こちらが兄岩のメインエリア。
素通りしてさらに上へ。
父岩の基部に到着。右に進む。
父岩の「小川山物語 5.9」がある面は基部が広場になっていて快適。
小川山物語に取りつく。25mで7ピンなので単純計算でもピン間隔は3m以上。
基本的に最終ピンを足元より下にしてのぼる。1ピン目も超高い。小川山クラシック、ハンパない。
5.9なだけあってほとんどがガバでたまにカチ。足でしっかり登っていけばパンプしない。グイグイ高度を上げて、たまに振り返って、廻り目平の絶景を堪能しながらOS。
ロワーダウンは末端処理をしっかりして、50mロープで試したところギリギリ足りた。
コタオは中間部でセミになって危うい感じだったがしっかりFL。あの状態から持ち直す根性がすげえわ。ナイスぅ。
おかわりで右隣の「小川山ストリート 5.9」も登っとく。落ちたら基部の段差を転げ落ちる感じになるので、出だしのダブルカチとハイステップにビビったがOS。上の方は小川山物語と似たり寄ったり(実際ルートもかなり隣接してるし)
夕暮れが近づいて、ラス1は「モラリスト 5.10a」に。取りつきまではフィックスロープを使って、兄岩基部から少しあがる。
OS権はコタオに譲る。易しい階段状を超えるとスラブ帯に突入するので、ビレイヤーからは姿が見えなくなる。一か所覚悟を決めるところがあったようだけど見事OSして降りてきた。
抜けると景色が良いってことでカメラ背負って登ってみた。
スラブ帯はこんな感じ。
超絶ランナウト。あのさあ...
終了点からの景色はこんな感じ。
紅葉シーズン真っただ中なのでキャンプ場にはキャンパーやハイカーもたくさん。
弟岩と兄岩も見える。FLして降りた。
真っ暗になる前には降りて、本日のクライミング終了とした。
コタオと別れて、翌日の錫杖のために新穂高に向かった。
今回は、エリア把握と小川山グレードを初体験っていう両目的をしっかり達成できたし、触りたい課題もかなりできた。通うには遠い岩場だけど、キャンプ場も最高なのでロックトリップとして再訪したい。
<成果>
・マラ岩
イレギュラー 5.10c TR
・親指岩
小川山レイバック 5.9 OS
・兄岩下部スラブ
タジヤンⅣ 5.10a OS
三日月のピンクリップ 5.10b ×
・兄岩
小川山物語 5.9 OS
小川山ストリート 5.9 OS
モラリスト 5.10a FL